ALSについて

ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis)/「筋萎縮性側索硬化症」は、

重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種です。
治癒のための有効な治療法は現在確立されていません。
日本国内では1974年に特定疾患に認定された指定難病でです。

治療薬としては1999年から「リルゾール」がALS治療薬として日本では保険収載されています。
2015年6月、急性脳梗塞などの治療薬として使われてきたエダラボン(商品名:ラジカット)が「筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」として効能・効果の承認をうけました。

発見者名にちなみシャルコー病(Charcot病)やMLBの国民的人気選手であったルー・ゲーリッグ(1941年に死亡)がこの病気に罹患したことから別名「ルー・ゲーリッグ病(Lou Gehrig’s disease)」とも呼ばれます。
日本では1年間に人口10万人当たり1.1-2.5人程度が発症し、全国での患者数は平成25年度で約9,200人。好発年齢は60-70歳代で、男性が女性の1.2-1.3倍ほどを占めると言われています。

90%程度が遺伝性を認められない孤発性(孤発型)である。残り10%程度の遺伝性ALSでは、一部の症例に原因遺伝子が同定されている。

遺伝性ALSの20%程度を占めるとされる、常染色体優性遺伝のALS1は21番染色体上のSOD1(スーパーオキシドディスムターゼ1遺伝子)に突然変異がある。

『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用

発症様式

以下の3型に分けられることがある。

普通型- 上肢の筋萎縮と筋力低下が主体で、下肢は痙縮を示す上肢型
進行性球麻痺 – 構音障害、嚥下障害といった球症状が主体となる球型
偽多発神経炎型 – 下肢から発症し、下肢の腱反射低下・消失が早期からみられ、二次運動ニューロンの障害が前面に出る下肢型

但し、初期から呼吸筋麻痺となる例や体幹筋障害、痴呆症状を伴うなど多様。

『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用

治療について

根治を期待できる治療法は現在ない。
グルタミン酸放出抑制剤のリルゾール(商品名リルテック)は進行を遅らせることが確かめられており、1999年より健康保険の適用になっている。
2015年6月、急性脳梗塞などの治療薬として使われてきたエダラボン(商品名:ラジカット)が「筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」として効能・効果の承認をうけた。
他に、メチルコバラミン(ビタミンB12誘導体)超大量療法も試みられることがある。
対症療法として、呼吸筋麻痺が起こると人工呼吸器を装着する。
嚥下障害があると、栄養管理のため胃瘻や中心静脈栄養を使う。

iPS細胞の援用による治療の可能性
京都大学iPS細胞研究所の井上治久教授らはALS患者から採取した皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り運動神経の細胞に変化させたところ変性TARDBP-43が蓄積し神経突起の成長を抑制していることを突き止めた。これに対しアナカルジン酸(英語版)を投与すると変性TARDBP-43が減少し、突起の成長が促されることを確認した。これは将来的なALS治療の可能性を示唆するものである。

『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用

※2023年5月からラジカットの経口薬が保険適用されました。

予後について

呼吸筋麻痺を起こすと、延命治療として気管切開による人工呼吸器の選択が検討される。人工呼吸器装着後も麻痺は進行し、末期には眼球運動も麻痺し、本人意思の確認は極めて困難になる。なお、身体障害者手帳の等級変更に注意を払う必要がある。身障手帳は診断時障害のみが反映されるため、進行性疾患では必要な給付がすぐに受けられない場合がある。

意思の疎通
人工呼吸器装着に伴い、会話ができなくなると、眼球運動を介助者が読み取り、文字盤を利用するなどしてコミュニケーションを行う。また、本人の意思による筋の収縮、あるいは脳波などが検知できる場合は、重度障害者用意思伝達装置の使用が検討される。導入効果は早期であるほど高い。

発話障害が進行する前に声を録り貯めておき、のちのちの音声コミュニケーションで生かす取り組みがある。

『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用